先日、Amazonのマーケットプレイスで、
「高杉晋作 わが風雲の詩」古川 薫 著
を購入しました。
以前より、ブログ等で高杉晋作に関する小説を読むならこの一冊と紹介されており、興味がありましたが、絶版の為、古本購入です。
読んだ感想としては、歴史小説によくありがちな極端な脚色も少なく、また、随所に高杉晋作の詩も掲載されており、読んでいてすごく引き込まれました。
大きな目標もなく、日々、同じことを繰り返し、変化を恐れ、また、周囲の目を気にするばかりの自分自身がとてもちっぽけで、何のために生きているのか?このままでいいのか?、そんな風に自戒させられる一冊でもありました。
ただ、幕末という時代に生きた人々もまた、同じようにもがき、苦しんでいたという事実にも気づかされました。
印象に残っている言葉として、
師である吉田松陰が高杉晋作に宛てた手紙に書いた死生観についての一節です。
死して不朽の見込みがあればいつでも死んでよい。生きて大業を成し遂げる見込みがあれば、いつまでも生きる努力をしたらよいのである。(「高杉晋作 わが風雲の詩」p.149より引用)
ただ長く生きながらえること、
逆に世の中に虚無を感じ、死に急ぐこと、
そのいずれでもない、「人として生を全うするとはいかなることか」という永遠の難題に対し、導き出した松陰の答えは深く心に響きました。
折をみて改めて読み直したいと思えたそんな一冊でした。